大曲(司会) 本日は,近年大きな動きのある高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)について,ぜひご意見を伺っておかなければならないお二人の先生をお招きし,いろいろと教えていただきたいと思います.早速ですが,長谷川先生から,A(H5N1)の最近の感染状況について,ご説明をお願いいたします.
長谷川 高病原性鳥インフルエンザウイルスであるA(H5N1)は,2020年までは,アジアとアフリカの一部を中心に鳥で流行していました.2021世界におけるA(H5N1)の感染状況年以降は,欧州に広がり,北米大陸まで拡大して,現在は南米や,南極大陸にまで到達しています.鳥の間での流行だったのですが,感染の拡大に伴って,哺乳動物への漏れ出しが起こり,2022年以降は多くの哺乳動物への感染が認められています.