感染症とともに:研究者のひとりごと
波はこうして生まれ,こうして消える-コロナ流行パターンの考察
掲載誌
インフルエンザ
Vol.26 No.1 49-51,
2025
著者名
河岡 義裕
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
媒体
インフルエンザ
新型コロナウイルスは出現以来,流行の波を繰り返し,世界中に甚大な影響を及ぼしてきた.第1波の初期段階では未知の病原体への恐怖や混乱が広がり,感染拡大を抑止するために大規模な行動制限が実施された.その後,アルファ株やデルタ株,オミクロン株など次々と登場する変異株によって感染力や重症度が変化し,流行の波が続いた.一方,ワクチン開発や治療薬の出現,マスク着用や手指衛生といった公衆衛生対策も進められてきた.本稿では,ウイルスの遺伝子変異から感染やワクチン接種による集団における免疫状態の変化,さらには行動変容や公衆衛生対策までを俯瞰し,波の発生と消失のメカニズムを考察する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。