ノイラミニダーゼ阻害薬のひとつであるオセルタミビルには,カプセル,錠剤,ドライシロップ(以下DS)の3種類の剤型があります.体重が37.5kg未満の患者に対してはカプセル,錠剤では過量となるため,DSの処方が必要となります.

初めてタミフル®DSの不足が生じたのは2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の際でした.流行の中心は小児であったため,オセルタミビルDSの急激な投与量の増加から流通が逼迫し,薬剤不足を引き起こしました.この時初めてカプセル製剤を脱カプセルし,DS同様の製剤を自家製剤することが必要となる事態が生じました.