ここで紹介する仕事は,筆者らが所属する国立病院機構仙台医療センターが発行する「仙台医療センター医学雑誌」に載せたもので1),ウイルスセンターで実験補助をしてくれていた当院看護学生とともに行った仕事である.今回のCOVID-19パンデミックのような大規模なエアロゾル感染の感染症に対する有効な対応を探った仕事である.その投稿にあたって学生は以下のようにカバーレターを書いている.


『本研究は,仙台医療センター看護学校の一学生だった私が当院の臨床研究部ウイルスセンターの指導の下に行った,COVID-19のエアロゾル感染による院内感染の阻止に向け必要な,当院各所における具体的データを得ようとした試みを,報告するものです.本研究により,感染対策の具体的行動をとるにあたっては各現場で具体的な問題点をデータとして見出し,それに応じた対応をとることが重要であることが理解できました.本研究は,当院だけでなく各地の医療施設などでの感染対策の試みにおける具体的なデータ収集の,ひとつのモデルとなると考えます.』