疫学
下水疫学に基づくウイルス性呼吸器感染症の動向把握
掲載誌
インフルエンザ
Vol.25 No.1 29-34,
2024
著者名
北島 正章
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
媒体
インフルエンザ
Key Words
下水サーベイランス
/
COVID-19
/
インフルエンザ
/
RSウイルス感染症
/
下水バンク
下水疫学調査は,患者検体に依存しない病原体サーベイランス手法として注目されており,欧米では国レベルで活用が進んでいる.われわれは,独自の下水中ウイルス高感度検出技術を開発し,東京オリンピック・パラリンピック選手村や札幌市等の自治体での実装を通してCOVID-19の感染対策に貢献してきている.新型コロナウイルスだけではなく他のさまざまな呼吸器系ウイルスも下水から検出可能であることがわかってきており,下水からの検出情報の提供により臨床検査の効率化等に貢献できる可能性がある.今後,検出手法の統一化やデータ共有システムの構築などの課題を早急に解決し,臨床検査を補完する疫学調査として全国レベルでの社会実装の実現が期待される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。