巻頭言
次のパンデミックの病原体に対してワクチンが奏効する保証はない:治療薬をもっての対応の準備・強化を怠るな
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- 掲載誌
- インフルエンザ Vol.25 No.1 5-6, 2024
- 著者名
- 満屋 裕明
- 記事体裁
- 抄録
- 疾患領域
- 呼吸器 / 感染症
- 診療科目
- 感染症内科 / 一般内科 / 呼吸器内科
- 媒体
- インフルエンザ
学生への講義で時に引用する言葉がある.「富士山に登ろうと心に決めた人だけが富士山に登ったんです.散歩のついでに登った人は一人もいませんよ」.故・ジョージ秋山氏のマンガ『浮浪雲』で,勉強に身が入らない11歳の長男・新之助に,東海道の宿場町で問屋「夢屋」を営む主人公で父親の雲がいうセリフである. 翻って1985年,HIV-1に対する抗ウイルス活性を定量化する方法を世界で初めて確立して(Mitsuya H, et al. Science. 1984 ; ibid 1984),AZT(ジドブジン)の活性を先駆けて明らかにし,次いで数か月もしないうちに少なくとも試験管内ではAZTよりも数段高い抗HIV-1活性のあるddI(ジダノシン)とddC(ザルシタビン)を発見した時(Mitsuya H, et al. PNAS. 1985 & 1986 ; Mitsuya H, et al. Nature. 1987 ; Mitsuya H, et al. Science. 1990:後にAZT/ddI/ddCは最初の3つのAIDS治療薬となり臨床に供された),短い時間でこれだけの進歩が得られるのであるから,HIV-1感染症は必ずやコントロールできるようになるだろうと確信した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
