疫学
超過死亡:健康危機の見える指標としての役割
掲載誌
インフルエンザ
Vol.24 No.4 21-26,
2023
著者名
野村 周平
/
鈴木 基
/
橋爪 真弘
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
媒体
インフルエンザ
Key Words
超過死亡
/
新型コロナ
超過死亡は,死亡数が通常の予想を上回る現象として,公衆衛生や医学研究の中心的指標の一つと認知されている.この概念は,1970年代初頭に世界保健機関が提案し,感染症の大流行や健康危機時の価値ある情報源となっている.特に,新型コロナウイルス(COVID-19)流行時に,厳密な感染データの収集が難しい状況であっても,超過死亡はその真の影響の評価に不可欠な指標として位置づけられている.厚生労働省の研究班は,COVID-19の下での日本の超過死亡の動向,特に循環器疾患,自殺,老衰の増加を捉えた.2023年には,データのリアルタイム収集・公開を実現した.本稿は,超過死亡指標の意義と,COVID-19の健康危機への対応策の基盤を提供するものである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。