乳幼児における新型コロナウイルス感染症は，RSウイルス感染症やインフルエンザと比べると重症化することが少なく，身体的健康へのインパクトは小さい．しかしオミクロン株に置き換わってからは子どもたちにも感染が拡大し，保育園や幼稚園での流行が広がり，そこからの家庭内への持ち込みや休園に伴う親の通勤停止が問題視されてきた．安易な休園は子どもの心の発達・健康や将来的な影響が大きい．一方でマスクのような感染予防対策は一定の有効性をもつ反面，子どもにはデメリットも大きい．感染ゼロリスクを求める過度の対策ではなく，バランスの取れた対応を行うべきである．