「はじめに」大腸癌は本邦において増加傾向にある癌の1 つである。大腸癌のうち直腸癌は結腸癌と比べて,再発率が高いことが知られている1)。その原因の1 つに直腸癌における局所再発率の高さがある。このような高い局所再発率に対する解決策として,海外では周術期の放射線治療が導入されるようになり,現在では術前化学放射線療法に直腸間膜全切除(total mesorectal excision:TME)を組み合わせるのが直腸癌に対する標準治療になっている。一方,本邦においては1970 年代より側方郭清を伴う拡大郭清が行われるようになった2)。しかしながら,拡大リンパ節郭清では骨盤内の自律神経系が合併切除されたために,術後の排尿障害や性機能障害が高率に合併し,患者の術後quality of life( QOL) の低下につながった。そこで骨盤内自律神経系を温存した側方郭清が行われるようになり,根治性を保ったまま合併症発生率が低下することが報告された3)。
誌上ディベート
再度問い直す「直腸癌に対する側方郭清と術前化学放射線療法の意義」 側方郭清に意味があるとする立場から
掲載誌
Frontiers in Gastroenterology
Vol.19 No.4 24-28,
2014
著者名
小林 宏寿
/
杉原 健一
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
手術・救急
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
Frontiers in Gastroenterology
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