担癌患者は凝固亢進状態や非細菌性血栓性心内膜炎により脳梗塞を合併することがある.1865年のTrousseauによる悪性腫瘍に遊走性血栓性静脈炎が合併しやすいとの報告を契機として,現在では「悪性腫瘍に伴う凝固亢進状態,播種性血管内凝固および非細菌性血栓性心内膜炎などに起因する全身性塞栓症」はTrousseau症候群として認識されるようになっているが1)2),病態はいまだ明らかでない点が多く,その治療法も確立されていない.