【特集 治療可能時間の延長に挑む】
ペナンブラを画像化する(1)Diffusion-Perfusion Mismatch
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.2 19-25,
2012
著者名
工藤與亮
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」拡散異常域と灌流異常域の差分であるミスマッチ領域(diffusion-perfusion mismatch: DPM)にて虚血ペナンブラは画像化可能であるが, ミスマッチ領域の決定に, (1)どの灌流マップを用いるか, (2)異常域定義の閾値をどうするか, という点に注意が必要である. 近年, 灌流異常域の定義にはTmax>6秒という基準が多くの研究で用いられるようになってきた. DPMは急性期脳梗塞の診療においては血栓溶解療法の適応決定に用いられることが期待されている. 「はじめに」脳梗塞の急性期診療においてMRIあるいはCTに求められているのは, 脳梗塞であることの確定診断, 出血を含めた他疾患の除外, 梗塞の原因・病型診断などがある. 血管自体の評価はMRAにて造影剤を使用せずに簡便に行うことができるが, 脳実質の血流あるいは灌流の評価はどうであろうか. t-PA静注による血栓溶解療法には, 脳血管の評価や局所脳血流の評価は必須ではない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。