「Summary」National Clinical Database(NCD)は,医療の質を客観的に評価し向上させるためのデータベースとして設立され,これまで560万件以上の手術症例が登録された。これは外科関連専門医制度における診療実績登録システムとしてNCD登録を必須としたことが大きく寄与したと考えられる。新専門医制度下でも診療実績評価にNCD登録が堅持されることに決まっている。一方,これまでのデータに基づき医療水準評価対象8術式に対しリスクモデルが作成され,死亡率や合併症発生率などの予測値を算出することや各施設診療科のパフォーマンスを全国比較することが可能となり,医療の質向上へ貢献している。今後は,NCDの信頼性確保として登録症例の悉皆性に関する制度の高い監査体制,専門医に対するインセンティブを導くような医療経済的効果の定量的評価が必要である。さらに質の高い臨床研究の遂行や,外科医のデータ入力軽減化と各施設で登録された自施設データの自由な利活用などが期待される。
特集1 外科治療とNCD
1.専門医制度におけるNCDの意義と課題
Significance and future problems of the National Clinical Database for board-certifying systems
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.22 No.4 23-26,
2015
著者名
北郷 実
/
宮田 裕章
/
北川 雄光
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
/
脳血管障害
/
癌
/
消化器
/
小児疾患
/
代謝・内分泌
/
神経疾患
診療科目
心臓血管外科
/
小児科
/
脳神経外科
/
耳鼻咽喉科
/
消化器外科
/
一般外科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
手術・救急
媒体
Surgery Frontier
Key Words
リスクカリキュレーター,ベンチマーク,インセンティブ,悉皆性,ビッグデータ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。