【特集 癌関連のノーベル賞1(方法の発見・発明編)】
コンピュータ断層撮影の開発(1979年),核磁気共鳴画像法に関する発見(2003年)
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.1 31-36,
2013
著者名
荒木裕
/
吉田重幸
/
富山憲幸
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
脳血管障害
/
癌
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」間違いなく人類最高最良の発明であるCT(computed tomography)とMR(magnetic resonance)は, コンピュータ技術が進んだ20世紀後半, 相次いで開発された. 特にCTの発明は当時革命的で非観血的に人体の断面を描出し, 病態を把握できる技術は, その後の医療にはかり知れない恩恵をもたらした. CTの発明は, 大学を出ていないイギリスEMI社の一コンピュータ技師であったGodfrey Hounsfieldの熱意と努力によってなされた. Hounsfieldは, CTの開発のため南アフリカ共和国生まれのAllan Cormackが確立したX線体内吸収の数理理論を採用したが, 2人はその功績により, 1979年度のノーベル医学生理学賞を受賞している. MRは, CTの成功が契機となって発明された. MRの開発者の1人, イギリス人Peter Mansfieldは, 奇しくもCTの発明者Hounsfieldと同郷で, 15歳のとき, 学校の先生からこの将来のノーベル賞受賞者に“君は科学に向いていない”といわれ学校をやめて印刷工になったという変わり種である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。