腫瘍をめぐるQ&A
Question Lgr5とは?
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.2 120-123,
2012
著者名
伊藤剛
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岡本 隆一
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清水寛路
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村野竜朗
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水谷 知裕
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油井史郎
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土屋輝一郎
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中村哲也
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渡辺守
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
一般外科
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消化器内科
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腫瘍内科
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消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」Lgr5(leucine-rich repeat containing G protein-coupled receptor 5)は1998年に甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)や卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone; FSH)などのgonadotropin受容体と類似する構造をもつ膜受容体をコードする遺伝子としてLgr4とともに同定された1). Lgr5は7回膜貫通型のG蛋白質共役型受容体(G protein coupled receptor; GPCR)に分類され, 細胞外に長いロイシンリッチリピート(leucine-rich repeat; LRR)をもつことを構造上の特徴とする(図1). Lgr5の機能やリガンドについてはながらく不明であり, いわゆるオーファン受容体のひとつであったが, Lgr5ノックアウトマウスが胎生致死であり, 胎生期に舌-下顎の形成異常と二次的な消化管の拡張を起こすことから2), 主に胎生期の頭蓋形成に重要な機能を担っているものと考えられていた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。