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第72回代謝制御因子のアップデート レジスチン
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.1 68-70,
2012
著者名
大沼裕
/
大澤春彦
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Surgery Frontier
「ヒトレジスチン」レジスチンは, マウス由来の3T3-L1脂肪細胞において, 脂肪細胞分化により発現が誘導され, インスリン抵抗性改善薬であるperoxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ)リガンドにより, その発現が抑制される分子として同定された. マウスにおいては, 脂肪細胞から分泌され, 肥満, インスリン抵抗性に関与するアディポカインとして, その意義はほぼ確立されている1). これに対し, ヒトにおいては, レジスチンの主な発現部位は, 単球・マクロファージであり, ヒトにおける病態生理学的意義はマウスとは異なる可能性が示唆されていた2). 必ずしも報告により一致しないが, レジスチンはヒトにおいても, 肥満, インスリン抵抗性, メタボリックシンドローム, 動脈硬化, 糖尿病に関連することが示されている3)-5). 一方, レジスチンが炎症に関連することが明らかにされており, 炎症と肥満, インスリン抵抗性, 動脈硬化を結び付ける分子として注目されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。