【特集 病態と遺伝子多型】
癌
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.1 35-39,
2012
著者名
山本健
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
/
呼吸器内科
/
産婦人科
/
消化器内科
/
形成外科
/
皮膚科
/
泌尿器科
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血液内科
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腫瘍内科
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放射線科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」癌は, 1981年以来日本人の死亡原因の第1位を占め, その予防・診断・治療に関する研究が推進されている. ゲノムDNAレベルでの発癌機構を理解するためには, 体細胞DNA変異に基づくアプローチとともに, 癌発症感受性遺伝子多型を端緒としたアプローチが不可欠である. 近年, 急速に進んだ全ゲノム相関解析により, 20にも及ぶ癌の感受性遺伝子多型が同定され, 公共データベースにカタログ化された. これらのデータの蓄積は, 多種類の癌に共通な感受性領域の同定を容易にし, 8q24, 5p15, 11q13領域などが, 「発癌共通感受性領域」として見出された. 今後, これらの領域の分子生物学的な解析を進めることにより, 発癌機構の新しいメカニズムの解明が期待される. 「はじめに」ゲノムDNAは, 修復機構の発達により配列の安定性が保持される一方で, 一定頻度の変異を許容する. 変異の蓄積は生命進化の源泉となり, また, 種内多様性をもたらすことによって種の保存に貢献する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。