Summary
急性膵炎においては,その発症機構から重症化機構に至るまで,プロテアーゼの活性が大きく関与する。よって,その治療においては,プロテアーゼ活性を制御するプロテアーゼインヒビターが当然のことながら登場する。急性膵炎はプロテアーゼに始まりプロテアーゼに終わる疾病である。本稿では,急性膵炎におけるプロテアーゼとプロテアーゼインヒビターの役割について,発症機構,重症化機構,および,治療の3つの側面に分けて紹介した。発症機構においては,オートファジーによるトリプシノーゲンの活性化と,膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)によるトリプシン活性阻害の重要性について,重症化機構では,その主体となる腹腔内臓器虚血,自己消化,SIRS/sepsisの3現象のいずれにおいてもプロテアーゼ活性が深く関与することについて,そして,治療においては,各種プロテアーゼインヒビターの投与の意義や膵局所持続動注療法の理論的背景について述べた。
全文記事
What's New in protease inhibitor
急性膵炎におけるプロテアーゼとプロテアーゼインヒビター
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.4 103-119,
2011
著者名
廣田昌彦
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
消化器
診療科目
一般内科
/
一般外科
/
消化器内科
/
老年科
/
手術・救急
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
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