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栄養のKEY NOTE
【消化・吸収2】ビタミン,ミネラルの吸収
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.17 No.3 94-96,
2010
著者名
桑波田雅士
/
木戸康博
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
栄養管理
診療科目
一般内科
/
消化器内科
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老年科
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手術・救急
/
小児科
媒体
Surgery Frontier
「ビタミンの吸収」ビタミンは脂溶性ビタミン(A, D, E, K)と水溶性ビタミン(B群, C)に大別され, それぞれ異なる経路で吸収される. 脂溶性ビタミンの吸収は, 脂質の吸収機構とほぼ同じである. 吸収に先立ち, 胆汁酸塩を含む複合ミセルの形成が必要であり, また小腸粘膜上皮細胞内に吸収された後にはカイロミクロンに取り込まれ, リンパ管へ移行する. したがって, 脂質摂取量の低下, 胆汁酸の再吸収障害, 胆汁の腸管内分泌障害をはじめ, ミセル形成能が低下した状態では脂溶性ビタミンの吸収は低下する. ビタミンB群の多くは食品中で蛋白質と結合した状態にあり, まず胃酸や消化酵素の作用により遊離型ビタミンの状態にまで消化を受ける. そして上部小腸において, ビタミンCやビタミンB群の多くは能動的に, あるいは担体を介して積極的に吸収され, 門脈血中へ移行する. 一方, 分子量の大きいビタミンB12には特別な吸収機構が存在する1)(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。