哺乳類の生殖細胞は,雌では卵子,雄では精子へと分化する。卵子と精子は融合して受精卵となり新しい個体が誕生し,その遺伝情報およびエピジェネティック情報を次世代に伝える。近年,多能性幹細胞であるiPS細胞/ES細胞を用いて,体外培養で生殖細胞の発生を再現する研究が進んでいる。これらの研究は,生殖細胞発生のメカニズムをさらに解明するための基盤となる。今後,体外培養によるiPS細胞からの卵子形成過程の観察をヒトに応用して不妊症の病態解明に寄与することなど,生殖医療への応用が期待される。
特集 ヒトの再生をめぐる諸問題
生殖細胞の発生からみた再生
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.1 21-28,
2023
著者名
濱田 律雄
/
加藤 聖子
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
始原生殖細胞,多能性幹細胞,体外培養,卵子,再生
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。