再生医療は,何らかの原因で損傷された組織を修復することを目的とした医療である。歴史的には自己の体細胞や間葉系細胞を用いた治療からスタートしたが,2007年にヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立が報告されて以降,これをもとにこれまでには製造できなかった組織や臓器を再生できるのではないかという期待が高まっている。2014年には自家細胞を用いたiPS細胞による加齢黄斑変性への細胞移植が行われ,その後も眼科疾患,パーキンソン病,心不全,脊髄損傷などに対する臨床試験が行われている。これらの新しい技術による治療は,今までの治療にはなかった安全性や治療効果に対する懸念があり,健全に研究や臨床応用を進めていくために規制対応が進められている。
特集 ヒトの再生をめぐる諸問題
実用化レベルまで到達しつつある再生医療
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.30 No.1 15-19,
2023
著者名
菊地 哲広
/
髙橋 淳
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
再生医療,iPS細胞,遺伝子治療,薬機法,iPS細胞ストックプロジェクト
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。