第三者を介する生殖医療を視野に入れた民法特例法が制定され,生まれた子の父母をどのように定めるのか,明確になった。民法特例法は,第三者を介する生殖医療を行ってよいのか行うべきでないのか,行う場合の規制の在り方など,実施の是非には言及していない。今後は,配偶子提供,代理懐胎などの技術ごとに,海外の状況を勘案のうえ,社会学,倫理学など,さまざまな分野の見解を結集した議論を進めることになろう。新たな生命を誕生させることが生殖医療の目的であることから,出生児の福祉が損なわれることのないルール作りが求められる。