近年,子宮性不妊女性の妊娠・出産のための選択肢として,「子宮移植」という新たな生殖医療技術が考えられるようになり,海外ではすでに臨床研究がなされ,2014年にスウェーデンにおいて,世界で初めての生体間子宮移植後の出産が報告された。この報告を機に国際的に子宮移植が新たな医療技術として急速に展開されつつあり,わが国でもその実施が期待されている。一方で,子宮移植には他の生殖医療と同様に解決すべき多くの医学的,倫理的,社会的,法的課題が内包されている。本稿では,子宮移植の現状に触れながら,代理懐胎との関連を含めて,子宮移植の倫理的・法的課題について概説する。
特集 生殖医療の倫理的・法的諸問題
子宮移植―代理懐胎との関連を含めて―
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.4 35-43,
2022
著者名
木須 伊織
/
阪埜 浩司
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
子宮移植,代理懐胎,子宮性不妊症,臓器移植
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。