精子提供で創られた家族の関係は,親が子どもに正直に治療の事実を話すかどうか(告知),また将来,子どもが提供者の情報を知ることができるかどうか(出自を知る権利),によって大きく異なる。就学前に告知をしたほうが子どもは受け入れやすいという意見もある一方で,告知するだけでは父親と子どもの関係は必ずしも良くならないことがわかっている。また,告知をしても子どもは提供者のことを知りたがり,それは父親を捜すのではなく,自分の遺伝的性質を知るためであると考えられている。卵子提供における家族関係についてはまだ研究が少なく,親の年齢が高いことも含めたさらなる研究が望まれる。
特集 生殖医療の倫理的・法的諸問題
配偶子提供で創られる家族―精子提供を中心に―
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.4 17-21,
2022
著者名
久慈 直昭
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
精子提供,卵子提供,家族,告知,出自を知る権利
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。