生殖医療では「新しい生命の誕生」が倫理的善とされる。しかし,国や社会の在り方,宗教,時代,文化などの多様な相対的倫理観も判断の大きな要素となる。また,新しい生命も対象となることや倫理を考えるうえでの基本的な留意点があるなど,一般医療とは異なる特殊性で複雑な議論が必要であり,判断の難しさがある。そのため,生殖医療を管理するうえでは,多様な倫理的考え方を踏まえた社会的コンセンサスを得る必要がある。現代の日本では生殖医療の倫理問題が山積しているが,日本に適した倫理的管理を目指して社会のコンセンサスを得る努力をしなければならない。
特集 生殖医療の倫理的・法的諸問題
生命倫理と生殖医療
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.4 11-16,
2022
著者名
苛原 稔
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
生命倫理,生殖医療,倫理的規制,日本産科婦人科学会「見解」,倫理的課題
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。