精神疾患の発症には性差がある。たとえば統合失調症,自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群,注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)などは男性に好発し,女性はうつ病,不安障害,摂食障害などに罹りやすい。精神疾患の発症には遺伝,性格,環境,社会的要因など多因子が絡んでいるが,性ステロイドホルモンの役割も注目されている。特に統合失調症の臨床像には明らかに性差があり,一般に女性のほうが症状は軽度である。その理由として,エストロゲンは直接神経組織に作用して,統合失調症の発症に予防的に働くことが多くの研究によって次第に明らかになっている。
脳におけるエストロゲンの見えざる作用
第34回 統合失調症とエストロゲン
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.3 75-78,
2022
著者名
武谷 雄二
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。