絨毛性疾患は異常妊娠の1つである胞状奇胎と,主に侵入奇胎と絨毛癌を含む妊娠性絨毛性腫瘍(GTN)で構成されている。日本では近年の少子化による出生数減少に伴い,絨毛性疾患の絶対数は減少しているが,ここ10年は発生率が上昇傾向を示しており,胞状奇胎や続発症のリスク因子である母体年齢の高齢化が影響していると考えられる。今回は絨毛性疾患における最近の報告を概説するが,あくまで現時点での取扱いは,規約やガイドラインに則って行うことが肝要である。