胎盤(卵膜)は羊膜,絨毛膜,脱落膜から構成される組織で,originの異なる幹細胞を豊富に含有する組織である。他の組織から区別しやすい羊膜を特殊な方法で乾燥したハイパードライヒト乾燥羊膜(HD羊膜)が炎症の進行状況を調整する性質をもつことを明らかにした。また,羊膜から単離したヒト羊膜由来上皮系幹細胞(hAESCs)は強い抗酸化作用を,ヒト羊膜由来間葉系幹細胞(hAMSCs)はインターロイキン(IL)-10やプロスタグランジンE2(PGE2)の分泌により抗炎症効果を示すことが明らかとなった。これらの特性を生かした新たな再生医療法の確立が期待される。
特集 ヒト胎盤機能と病態
胎盤と再生医療―卵膜を含む―
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.3 43-50,
2021
著者名
吉田 淑子
/
岡部 素典
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
胎盤,羊膜,ハイパードライヒト乾燥羊膜(HD羊膜),ヒト羊膜由来上皮系幹細胞(hAESCs),ヒト羊膜由来間葉系幹細胞(hAMSCs)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。