胎盤(卵膜)は羊膜,絨毛膜,脱落膜から構成される組織で,originの異なる幹細胞を豊富に含有する組織である。他の組織から区別しやすい羊膜を特殊な方法で乾燥したハイパードライヒト乾燥羊膜(HD羊膜)が炎症の進行状況を調整する性質をもつことを明らかにした。また,羊膜から単離したヒト羊膜由来上皮系幹細胞(hAESCs)は強い抗酸化作用を,ヒト羊膜由来間葉系幹細胞(hAMSCs)はインターロイキン(IL)-10やプロスタグランジンE2(PGE2)の分泌により抗炎症効果を示すことが明らかとなった。これらの特性を生かした新たな再生医療法の確立が期待される。