ロキタンスキー症候群(MRKH症候群)の診断が思春期になされた場合,罹患女性への衝撃は計り知れない。遺伝カウンセリングでは,常に本人ならびに家族を孤立させないよう配慮する。治療にあたっては,主科(産婦人科)を軸とした関連他科と,心理士を含めた種々の医療スタッフの相互協力が必要である。ゲノム解析の研究による子宮発生メカニズムの解明は未達であるが,その先にはiPS細胞での子宮再生(自己)臓器移植も夢ではない。さらなる研究によりMRKH症候群の治療や予防の道が開かれることが期待される。
特集 ゲノム時代の生殖内分泌学
ゲノムとロキタンスキー症候群
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.2 39-44,
2021
著者名
高橋 千果
/
後藤 優美子
/
和泉 俊一郎
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
ロキタンスキー症候群,Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群,ゲノム解析,子宮移植
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。