このたび『ホルモン補充療法ガイドライン』が2017年度版として改訂された。ホルモン補充療法 (hormone replacement therapy;HRT) の目的の1つは高齢女性のQOLの維持・向上を支援することであり,その目的達成のためには,HRTに内在する副作用のその発生を抑えていくことが求められる。(医師にとって)安心・(患者に対して)安全なHRTを行うための要点は,①対象者の年齢/閉経後年数,②エストロゲンの種類,量と投与ルート,③黄体ホルモン,④投与期間がHRT長期服用者のリスクの発生にどのように影響するかを理解し適切な方法を選択することと,かつ,そのリスクが何であるかを患者と共有することである。
「KEY WORDS」HRT,WHI,リスク因子,リスク値