Summary
生体には,エネルギー産生のために必要な酸化システムとその過剰による悪影響を防ぐための抗酸化システムが備わっており,その恒常性が保たれていることが健康の維持に必要である。酸化と抗酸化のバランスが崩れて酸化が過剰になった状態を酸化ストレスと呼ぶ。酸化ストレスはDNAを直接傷害することによって癌の原因となる。過剰鉄による活性酸素種(ROS)の発生による発癌はその代表例である。最近では酸化ストレスの発生に関与する分子の異常が発癌のみならず癌の浸潤や転移など,癌の進展にも深く関わっていることが明らかとなりつつある。今後は癌の予防・治療への応用が期待されるところである。
Key words
●酸化ストレス ●ROS ●redox system ●鉄 ●発癌 ●浸潤 ●転移 ●低酸素 ●ワールブルク効果 ●HIF-1α ●FoxM1
全文記事
酸化ストレス
酸化ストレスと癌
─発癌のメカニズムと癌の進展への関与─
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.19 No.2 33-37,
2012
著者名
山下依子
/
豊國伸哉
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
/
呼吸器内科
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産婦人科
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消化器内科
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形成外科
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皮膚科
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泌尿器科
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血液内科
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耳鼻咽喉科
/
腫瘍内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。