「論文のポイント」

[1]血漿ADAMTS13活性が常時10%未満で,かつ抗ADAMTS13自己抗体陰性の場合,先天性TTPの可能性が強く疑われる.

[2]先天性TTPは劣性遺伝形式のADAMTS13欠損症であるため,患者はADAMTS13遺伝子異常の複合へテロあるいはホモ接合体である.

[3]患者の両親はヘテロ接合性のADAMTS13遺伝子異常保因者であり,血漿ADAMTS13活性は30-70%の低値を示す.

[4]先天性TTP患者のADAMTS13遺伝子をダイレクト・シーケンシング法で解析すると,ほとんどの症例で両アレルの異常が同定される.

[5]少数例においては,ダイレクト・シーケンシング法のみで原因変異が同定されず,ゲノム定量PCR法で異常が見つかる.