【特集 プロスタグランジン研究の新展開―エイコサノイド周辺脂質を含めた研究動向】
8.プロスタグランジンによる血小板機能制御
掲載誌
血栓と循環
Vol.21 No.3 46-50,
2013
著者名
柏木仁
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
媒体
血栓と循環
[論文のポイント] [1] 従来, 血小板の機能制御には, 血小板活性化作用を持つトロンボキサンA2と血小板活性化抑制作用を持つプロスタグランジンI2のバランスが重要と考えられてきた. [2] プロスタグランジンE2は, 低濃度では血小板凝集を促進し, 高濃度では血小板凝集を抑制するという二相性の作用を示す. [3] プロスタグランジンE2受容体サブタイプのEP3は, 低濃度のプロスタグランジンE2の血小板凝集促進作用に関与している. [4] プロスタグランジンE2受容体サブタイプのEP2とEP4は, 選択的に刺激された際に血小板凝集抑制作用を示す. [5] EP3アンタゴニストとEP4アゴニストは, 新規抗血小板薬として臨床応用できる可能性が示唆された. [はじめに] 血小板は, 止血の際に自身が凝集塊を形成し, また, その細胞膜を血液凝固因子の活性化に必須の場として提供することにより, 直接的および間接的に止血機構を制御している細胞である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。