§論文のポイント

[1]ACSはステント治療およびアスピリンとチエノピリジンの抗血小板薬併用療法がスタンダード治療として行われている.

[2]アスピリンまたはクロピドグレル・レジスタンス(不応症)は,薬理学的な観点から標準用量のアスピリンまたはクロピドグレルの投与によりex vivo血小板機能(または凝集能)が十分に抑制されない状態である.

[3]不応症の検出方法が標準化されておらず不応症の診断は報告者によりさまざまであるが,概して不応症例の心血管イベントの発症リスクは高いとする報告が多い.これら抗血小板薬不応症は,薬物動態的(pharmacokinetic)な原因に起因することが多いと考えられる.

[4]ex vivo血小板機能検査は抗血小板薬の薬理学的作用に対する情報を得るのに有用と考えられるが,日本人でのエビデンス作りが必要である.

§キーワード アスピリン不応症/クロピドグレル不応症/血小板凝集能/VerifyNow/Cyp2C19遺伝子多型