肺炎はその発症様式や臨床背景から,市中肺炎(CAP),医療・介護関連肺炎(NHCAP),院内肺炎(HAP)に大別されるが,一部の非定型病原体によるCAPを除き感染性肺炎の大半は細菌性肺炎である。発症様式による肺炎の分類や個々の症例の耐性菌リスク因子の評価は,原因菌の推定に非常に有用である。また,近年では網羅的細菌叢解析により,喀痰培養では原因菌と断定できない口腔内レンサ球菌や,嫌気性菌が肺炎発症に関与している可能性も指摘されている。そのため,原因菌が同定できない肺炎の経験的治療を行う際には,これらのデータを基に総合的に判断し,治療薬の選択を行うことが重要である。
「KEY WORDS」市中肺炎,NHCAP,CAP,網羅的細菌叢解析,耐性菌
「KEY WORDS」市中肺炎,NHCAP,CAP,網羅的細菌叢解析,耐性菌