MEDICAL TOPICS
第50回 多剤耐性・超多剤耐性結核菌の地域内感染伝播
Clonal expansion of MDR/XDR-TB, Japan
掲載誌
THE LUNG perspectives
Vol.22 No.2 92-97,
2014
著者名
村瀬良朗
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
老年科
/
小児科
媒体
THE LUNG perspectives
[Summary] [仮説] 薬剤耐性変異を多重に蓄積しているために弱毒化が疑われるXDR-TBであっても, 地域内感染伝播を起こしうるのではないか. [新知見の要点] 日本全国から収集されたMDR/XDR-TB株の一部は, 地理的集積性を伴った遺伝子型別クラスターを形成していた. このクラスター形成は, MDR/XDR-TB株の地域内感染伝播を反映していると考えられた. [将来の可能性・問題点] 結核菌の薬剤耐性と感染性・病原性の関係を明らかにすることができれば, 化学療法が困難なMDR/XDR-TBの適切な感染制御に貢献できると期待される. [歴史的背景] 多剤耐性結核(multi-drug resistant tuberculosis; MDR-TB)とは, 最も強力な抗結核薬であるリファンピシンとイソニアジドに耐性を示す結核の総称であり, 難治性であることから一般的な薬剤感受性の結核とは明確に区分されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。