尿失禁症状のうち機能障害性尿失禁とは,動作に時間がかかることにより,尿意を感じてからトイレに行くも間に合わずに失禁してしまう状態のこととされている1)。日常生活動作(ADL)の評価指標である機能的自立度評価法(functional independence measure;FIM)では,排泄に関する評価項目として,排尿管理,排便管理およびトイレ動作という項目がある。排尿(排便)管理は排泄のコントロールが可能か,トイレ動作については,「下衣の着脱」「陰部の清潔を保つ」ことが可能か,どのくらい介助が必要かで評価される2)。しかし,実際には排泄に関わる動作はこれだけではなく,トイレへの移動,便座への移乗動作能力も必要となる。末廣らは,排泄を「動作」の観点から考えると表のとおり多くの要素から成り立っているとしている3)。このように,ADLの場面で排泄を動作として考える際に,トイレへの移動,移乗動作も重要な要因となっている。実際に,入院患者においては,FIMにおける排尿管理,排便管理およびトイレ動作が動作としては自立していても,トイレへの移動および便座への移乗が困難であるため,ベッド上で尿器を使用しているケースや,バルーンカテーテルとオムツでの排泄管理となっているケースも少なくない。そこで今回は,トイレ動作の自立に重要な移動,移乗動作として,歩行を中心にその評価法を紹介する。
Neurologist's Perspective
排尿に役立つ歩行の評価
掲載誌
排尿障害プラクティス
Vol.32 No.1 63-68,
2024
著者名
寺山 圭一郎
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
泌尿器
診療科目
泌尿器科
/
リハビリテーション科
媒体
排尿障害プラクティス
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。