夜尿症(NE)は5歳以上の小児の間欠的な夜間就寝中の尿失禁であり,重症例では自然消失率が低く,自尊心の低下などの心理的影響もある。2020年の国際小児禁制学会の診療指針と2021年の診療ガイドラインの改訂により,単一症候性NEだけではなく非単一症候性NEに対しても診療アルゴリズムが作成された。NEの原因については明らかになっていないが,夜間多尿,膀胱容量低下,睡眠からの覚醒障害が関与する。治療はNEの分類に基づき,第一選択としてデスモプレシン製剤やアラーム療法があるが,選択的β3受容体作動薬の有効性を示す報告が近年増えている。また,標準的治療では難治な症例においては,生活リズムや睡眠の乱れ,神経発達症の合併などの要因も考慮する必要がある。