正常圧水頭症(normal-pressure hydrocephalus;NPH)は1965年,脳外科医のHakim S,神経内科医のAdams RSら1)2)により記載された疾患であり,高齢者で頻度が高い疾患である。NPHのなかでクモ膜下出血などに続発したものを除いたものを特発性(idiopathic NPH;iNPH)といい非常に多いことから,ここではiNPHのことをNPHとして述べる。脳室拡大(側脳室幅/全脳幅をEvans比といい,NPHでは30%以上),穹隆部の圧排,シルビウス裂開大[後2者を含めたものをdisproportionately enlarged subarachnoid-space hydrocephalus(DESH)といい,わが国の日本正常圧水頭症研究会(現在の日本正常圧水頭症学会)で見出された3)]に加えて,タップテスト陽性(脳脊髄液を30mL採取後の症状の軽快)が得られる場合,シャント手術を施行すると症状が改善する。NPHの原因はいまだ明らかでないが,髄液中ロイシンリッチα2グリコプロテイン(leucine-rich alpha 2 glycoprotein;LRG)などの上昇が知られている3)