特集 循環器疾患におけるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系の新たな展望
臨床 高血圧・腎臓病治療におけるRAA系阻害薬の現状と今後の展開
掲載誌
CARDIAC PRACTICE
Vol.32 No.2 30-35,
2022
著者名
向山 政志
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
媒体
CARDIAC PRACTICE
Key Words
慢性腎臓病(CKD),蛋白尿,糖尿病性腎症,高カリウム血症,MR拮抗薬
高血圧は,わが国において心血管病(cardiovascular disease:CVD)死亡の最大のリスク因子であることは議論の余地がない¹⁾ ²⁾。すなわち,高血圧治療の目標はいうまでもなく,CVDの発症および進展の抑制である。一方,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の存在は,併存疾患のなかで糖尿病と並ぶ最も強力なCVDの要因となる³⁾。したがって,降圧療法において,心血管保護とともに腎保護の観点がきわめて重要である。これまで,レニン・アンジオテンシン(renin-angiotensin:RA)系阻害薬,すなわちアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)阻害薬およびアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)の心腎血管保護における意義が多く示されてきた。さらに最近,ミネラルコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor:MR)拮抗薬の有用性も示唆されている。本稿では,高血圧・腎臓病治療におけるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(renin-angiotensin-aldosterone:RAA)系阻害薬の現状を概説するとともに,今後の展望について述べる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。