「はじめに」Transcatheter aortic valve implantation(TAVI)はHigh-riskな重症Aortic stenosis(AS)に対する治療としてわが国でも急速に広まりつつある。TAVIでは術後の弁周囲逆流(para-valvular leak:PVL)が問題となっており,PVLが長期予後に影響を与えるためその予防と対策が重要である。本稿ではTAVI後のPVLに対する診断とその回避法について概説する。
「TAVI後のPVLの発生頻度,長期予後への影響」TAVI後のmild以上のPVL,または大動脈弁逆流Aortic Regurgitation(AR)は約70%に認めるといわれ,中等度以上のPVLが残存する割合はメタ解析でEdwards社のSapienでは9.1%,Medtronic社のCoreValveでは16%といわれている1)(図1)。TAVI後のPVLは特にEdwards社のSapienの場合はmildであっても長期予後に影響を与えるため2)3),PVLを最低限にする努力が必要である(図2)。
「KEY WORD」PVLと長期予後,PVLの診断,PVLの原因と弁輪石灰化,PVLへの対応