「はじめに」心房細動について,またそれに対するカテーテルアブレーションやメイズ手術などについて考えるときに,循環器内科医・心臓血管外科医にとって役立つのは心房の構造を立体的に把握できる図でありましょう。いわゆる展開図のようなシェーマ(説明図)は解説図として理解するためには適切ですが,解剖図ではないシェーマだけを頼りに実際の手技を行うのは困難です。また,アブレーションや手術においては,心臓を構成するそれぞれの構造物の相互の位置関係を把握し,心房壁に隣接するものがどの方向にどんな近さで存在するかを頭に入れておくことが重要です。本項では,心房内腔から見た解剖,周囲の構造物との相互の位置関係を把握するため,僧帽弁,三尖弁,冠状静脈洞,大動脈弁と冠動脈,刺激伝導系の構造と位置関係,また隣接する大動脈,肺動脈,気管支,食道,さらに周囲の静脈系などについて解剖図をみながら確認していきます。
「KEY WORD」共通肺静脈,左房肺静脈部,コッホの三角,マーシャル静脈
「KEY WORD」共通肺静脈,左房肺静脈部,コッホの三角,マーシャル静脈