SUMMARY 胃癌手術は消化器手術のなかでも比較的高侵襲な手術で,術後経口摂取形態に与える影響も大きいことから,術後体重減少などの影響が生じやすい素因が考えられる。ERASプロトコールは手術による影響を最小限にとどめ,術後回復能力を最大限に高める集学的なアプローチで,胃癌術後の回復を支持する利点を多く含んでいる。本稿では神奈川県立がんセンターでのERASプロトコールに基づく胃癌周術期管理の実際と短期成績を示し,胃癌手術におけるERASプロトコールの認容性と利点について,および今後の課題について考察する。 KEY WORDS ■ERAS ■胃癌 ■早期経腸栄養