全文記事
小児の栄養管理
新生児の経腸栄養:母乳
掲載誌
栄養-評価と治療
Vol.27 No.4 68-71,
2010
著者名
水野克己
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
小児疾患
/
栄養管理
診療科目
小児科
媒体
栄養-評価と治療
『SUMMARY』 ヒトの新生児は, 母親の母乳で育つのが当然のことである. その理由は, 母乳には母と児が生活する環境, 児の成熟に適した物質が含まれることからも明らかである. 児の状態や合併疾患によっては, 人工乳を必要とする場合もあるが, 母親の感染症や薬剤使用のために母乳を中断しなければならない場面はきわめて稀である. 小児医療に携わる者は母乳栄養のもつ意義のみならず, 母親と児の絆としての母乳育児についても熟知してほしい. 『I はじめに』 母親の母乳で育つことは, 非常に稀な例外を除き, すべての新生児・乳児にとって生理的なことである. この理由を, 児が出生直後に示す行動, 児に対する感染防御作用, 母乳に含まれる栄養素, そして, 新生児期の消化機能の特徴から概説する. ただし, 母乳栄養が禁忌である母親の疾患や状態もある. また, 母乳が十分に得られない場合には人工乳が必要となる. 人工乳の適切な使用方法とはどのようなものか, 小児医療に携わる者として押えておきたいポイントを示す.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。