─先生の退任時に子どもの頃のお話を聞く機会があり,印象的なエピソードが多かったです。あらためてどういうお子さんで,どのような夢をもっていたか,子どもの頃の思い出をお聞かせください。
「簡単にいえば,ただの洟垂れの暴れん坊です(笑)。親が転勤族だったから,子どもの頃は各地を転々として,生まれたのは母の里帰り出産で埼玉県ですが,住んでいたのは福島県の平(たいら・現在のいわき市)です。その後岩手県宮古市,福島県福島市と移りました」
「その頃の記憶はほとんどないですが,親の話では,幼稚園の年少のときに大工さんの家に上がり込んで帰ってこないことがあったそうです。その大工さんに橇を作ってもらっていたのです。木製でも割と頑丈で,小学校ぐらいまではその橇で遊んでいました。あるとき,氷が張った田んぼで橇で遊んでいたら,落ちてどこかに頭をぶつけたのか,みんなが僕を背負ってきて,親に『俊ちゃん,寝ちゃった』。脳震盪を起こしたらしいです(笑)。2月生まれだったので,早く生まれた同級生たちにコンプレックスを感じていました」