特集 MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)
Ⅱ.臨床 1.MASLD病名の変遷
掲載誌
The Lipid
Vol.36 No.1 42-48,
2025
著者名
堤 翼
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Mary E. Rinella
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鈴木 浩之
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福永 秀平
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中野 聖士
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橋田 竜騎
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中野 暖
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川口 真知子
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戸次 鎮宗
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天野 恵介
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川口 巧
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
代謝・内分泌
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消化器
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
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消化器内科
媒体
The Lipid
Key Words
NAFLD
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MASLD
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スティグマ
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cardiometabolic risk factor
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)から代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)への命名変更は,代謝異常の重要性を反映し,診断基準をより包括的かつ肯定的なものにするとともに,患者に対するスティグマを軽減することを目的としている。MASLDは従来のNAFLDと同等の有病率やアウトカムを示しており,これまでのNAFLDで蓄積された疫学研究やバイオマーカーを使用することが可能である。脂肪性肝疾患は,steatotic liver disease(SLD)という包括的な概念のもと新たなサブタイプが定義され,診療の精密化や個別化治療の可能性が広がった。MASLDに基づく診療の普及には,スティグマの解消や患者教育,多職種間の連携が重要とされており,今後のさらなる進展が求められている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。