特集 新しい細胞死
Ⅲ.臨床 3.炎症性肺疾患における制御性細胞死の役割
掲載誌
The Lipid
Vol.35 No.2 62-69,
2024
著者名
皆川 俊介
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
/
呼吸器
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
呼吸器内科
媒体
The Lipid
Key Words
制御性細胞死
/
ネクロプトーシス
/
フェロトーシス
/
慢性閉塞性肺疾患
/
気管支喘息
近年の研究進歩により,多種多様な新規細胞死形態が発見され,特に免疫原性を伴う壊死性細胞死であるネクロプトーシスやフェロトーシスの研究報告が増加している。これらの細胞死は,さまざまな炎症性肺疾患に深く関与していることが報告されている。本総説では,呼吸器疾患における制御性細胞死(RCD)の役割に焦点を当て,慢性閉塞性肺疾患(COPD),間質性肺炎,気管支喘息におけるネクロプトーシスとフェロトーシスのメカニズムと,その病態への影響を解説する。これらのRCDが病態進行にどのように寄与するか,また複数の細胞死経路が互いに補完し合いながら炎症反応を制御する仕組みを探る。RCDの理解は,これらの難治性呼吸器疾患に対する新たな治療法の開発において重要な手がかりを提供する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。