特集 新しい細胞死
Ⅰ.基礎 4.ネクロプトーシス
掲載誌
The Lipid
Vol.35 No.2 37-43,
2024
著者名
森脇 健太
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
ネクロプトーシス
/
RIPK3
/
MLKL
/
炎症
/
ネクローシス
ネクロプトーシスは,サイトカインや病原体成分などによって引き起こされる細胞死で,形態的にネクローシスに分類される。ネクロプトーシス誘導のプロセスは,細胞質内のセリン/スレオニンキナーゼであるRIPK3が中心となり,その下流で働くMLKLが細胞膜の破裂を引き起こすことで進行する。ネクロプトーシスは病原体に対する感染防御機構として機能する一方で,さまざまな炎症性疾患の病態に関与することがわかっている。そのためRIPK3とMLKLは,炎症性疾患に対する新たな治療標的として注目されている。RIPK3とMLKLの発見によってネクロプトーシス研究は飛躍的に拡大してきたが,未だこれらの分子の活性制御機構や炎症誘導機構について不明な点が多く残されている。本稿では,これまでの知見を概説するとともに,今後の研究の展望について言及したい。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。