核酸医薬は従来の医薬品では治療困難な疾患に対する新しい創薬モダリティとして期待されている。2013年にKynamro®が承認されて以降この10年間で,実用化に至った核酸医薬が2品目から21品目まで増加したことから示されるように,国内外で核酸医薬の開発研究が活発化するとともに,核酸に関連する研究領域が近年急速に進展を遂げている。本稿では,代表的な核酸医薬であるアンチセンス核酸(ASO)とsmall interference RNA(siRNA)を中心に,その作用機序,薬効を高めるための化学修飾,薬物送達システム(DDS)技術について概説する。