「クワシオルコル」は,蛋白質の摂取量が十分でないときに起こる栄養失調の一形態である。成長遅滞のほか,手足の浮腫や腹部の膨張,脂肪肝などの症状を呈する。われわれを含めた研究グループの実験成果から,低タンパク質栄養状態では,アミノ酸の欠乏がシグナルとなって,①インスリン様成長因子(insulin-like growth factors:IGF)-Iの産生が減少,②血中IGFをクリアランスするIGF 結合タンパク質(insulin-like growth factor binding protein:IGFBP)-1が増加し,IGFの血中寿命を延長するIGFBP-3が減少,③筋肉などの標的組織でIGF抵抗性が発生,そのためIGF-Iによる動物の成長が抑制されることがわかった1)。
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第1回 血中アミノ酸濃度から肝臓脂質量を推定する技術
掲載誌
The Lipid
Vol.35 No.1 4-9,
2024
著者名
高橋 伸一郎
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伯野 史彦
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増田 正人
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西 宏起
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合田 祐貴
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山中 大介
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勝俣 昌也
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中島 一喜
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潮 秀樹
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豊島 由香
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竹中 麻子
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宮本 崇史
記事体裁
抄録
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連載
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。