副腎はその形態や機能に性差を示し,副腎皮質の機能の1つである糖質コルチコイドの産生にも性差(雌で雄よりも多い)があることが知られている。本稿ではまず,副腎皮質におけるステロイドホルモン合成の制御メカニズムに関して,転写因子Ad4BP/SF-1による統括的な遺伝子発現制御について概説する。そして,性ホルモンがAd4BP/SF-1遺伝子の発現抑制を介して副腎皮質におけるステロイドホルモン合成に性差をもたらすという,最近のわれわれの研究について紹介する。最後に,副腎の性差を起点として全身の器官・細胞に性差が誘導されることを,骨格筋を例にあげて紹介する。
特集 副腎研究の最前線
Ⅰ.基礎 3.副腎皮質の性差医学
掲載誌
The Lipid
Vol.34 No.2 26-32,
2023
著者名
馬場 崇
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
Key Words
性差
/
副腎
/
糖質コルチコイド
/
骨格筋
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。